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産後に起きる恥骨痛トラブル
投稿日:2017.06.29
【産後に感じる恥骨痛】
人生の一大イベントである出産。
我が子誕生の喜びと無事に終えた安堵感で、何とも言えない感情に満ち溢れています。
そんな気持ちとは裏腹に、身体はあちこち痛くてボロボロ、疲労困憊しています。
出産直後は、満身創痍の状態で全身の疲労を回復することに全神経が注がれます。
しかし、2週間ほど経ったころ、股のあたりに痛みを感じることがあります。
それが恥骨痛です。
恥骨痛には個人差があり、生理痛のようなチクチクした軽い痛みから、寝ていても目が覚めてしまうようなひどい痛みを感じる人までさまざまです。
歩けないほどの激痛に見舞われる人の割合は、30人に1人くらいとも言われています。
【恥骨痛とは?】
そもそも恥骨痛とはどんな症状なのでしょうか?
恥骨痛は股のあたりにある恥骨に感じる痛みの事です。
恥骨がどの場所にあるのか正確に知っていますか?
骨盤=1つの骨である、と漠然と思っている人がいますが、実際は大きく分けて8個の骨が組み合わさり成り立っています。
骨盤の中央に仙骨と尾骨があり、その左右にそれぞれ寛骨が位置しています。
その寛骨を構成しているのが、腸骨、恥骨、坐骨です。
恥骨は左右の腸骨を前面でつないでおり、股の間より少し上にあります。
恥骨痛とは恥骨そのものが痛むわけではなく、恥骨が合わさる中心部分(恥骨結合部)に痛みを感じます。
日常生活において、骨盤の一部である恥骨を痛めることはあまりありません。
それでは、なぜ恥骨痛が起きるのでしょうか?
【産後に恥骨痛が起こる原因】
はじめに、出産と恥骨の関係について説明します。
恥骨には大切な役割があります。
胎児がお腹の中で十分な大きさに育つまで体内から出てきてしまわないよう、下半身をしっかりと締めているのです。
ところが、出産準備のためには、骨盤をゆるませる必要があります。
出産時、赤ちゃんが狭い産道をスムーズに通れるようにするためで、妊娠後期になると子宮や卵巣から女性ホルモンの1つである「リラキシン」が積極的に分泌されます。
「リラキシン」には骨盤や靭帯をゆるませる作用があります。
そして、出産予定日が近づくと、赤ちゃんがだんだんと下にさがっていき、骨盤の中に赤ちゃんの頭が入った状態で固定されます。
ゆるんだ骨盤に赤ちゃんの重みで負荷がかかり、また、赤ちゃんの頭が徐々に恥骨を押し広げていくことにより、下腹部に鈍痛を感じることがあります。
これが産前の恥骨痛の理由で、臨月に入るとさらにひどくなる場合もあります。
出産を終えてやがて落ちつくだろうと思ってつらい痛みをやり過ごしていても、産後もなかなか治まらない人が多くいます。
産後も恥骨痛が続くのはなぜなのでしょうか?
出産時、赤ちゃんが産道を通る際に骨盤が開いて、恥骨結合部が伸びたり、ねじれたりします。
これによって、恥骨結合部がダメージを受け、産後の恥骨痛へとつながります。
寝た状態から起き上がろうとするとき、寝返りを打つときなど、体勢を変えようとするだけでズキッと痛みが走ります。
ただでさえ、2~3時間おきの睡眠が続いて疲れきっているのに、少しの動作でも痛みを感じてしまうと気分が落ち込んでしまいます。
産後の恥骨痛はいつまで続くのでしょうか?
一般的には、骨盤がもとに戻る1ヶ月をめどに治まるとされています。
しかし、個人差が大きく、産褥期間中に治まる人がいる一方で、半年以上にわたって痛みに悩まされる人もいます。
症状がひどいときは「リラキシン」によって広がりすぎた恥骨が離れてしまう「恥骨結合解離」になる場合があります。
最近、この症状を訴える人が急増しており、主に下半身に症状があらわれ激痛により歩けなくなることもあります。
「恥骨結合部解離」になってしまっても、これといった治療法はなく、自宅安静しているしかありません。
完治するまで長い期間を要します。
【恥骨痛を改善する方法】
つらい恥骨痛を改善するにはどうしたらよいのでしょうか?
第一に、産褥期を大事に過ごす、ということがあげられます。
産褥期とは、医学的に産後6週間から8週間のまでの時期を指しています。
出産でダメージを受けた身体の回復させるためにとても大切な期間です。
昔から「産後の肥立ち」という言葉があるように、この時期をどのように過ごすか、によって今後の経過が大きく変わるのです。
まずは、赤ちゃんのお世話をする以外は極力安静にして、絶対に無理はしない、ということです。
しかしながら、2人目、3人目の出産ともなると、上に子供がいて安静にしていることが難しく、どうしても無理せざるをえません。
骨盤体操やストレッチなど恥骨痛を緩和させる方法はありますが、時間的に余裕がなくついつい後回しになってしまいがちです。
そんな人には骨盤矯正がおすすめです。
恥骨痛は、広がったままの恥骨結合部を締めることで痛みがひいていきます。
ただし、単純に締めればいいと言うわけではなく、骨盤のゆがみをとることが重要なのです。
正しいやり方がわからなかったり、自力でゆがみを治すには限界がありますが、骨盤矯正を受ければ、ゆがんでしまった骨盤を正常な位置に戻してから骨盤を締めてくれるので、恥骨痛を改善するには非常に効果的と言えます。
わかば接骨院では産後の恥骨痛に関するトラブルのご相談も対応しております。