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産後の尿もれ原因は?
投稿日:2017.07.21
【妊娠中の尿もれは当たり前?】
尿もれとは自分の意志と関係なく、突然尿が出てしまうことを指します。
初めて尿もれを経験した場合、恥ずかしく感じて、少なからずショックを受けることもあります。
他の人には相談しづらい内容なので、今ほどインターネットが普及していなかった時代では、ひとりで悩んでいたかもしれません。
しかし、現代ではスマートフォンがごく身近な存在になったことで、誰にも知られず、気になったことをすぐに調べられるようになりました。
妊娠中の尿もれは誰にでも起こりうること、と知って安心した人も少なくないでしょう。
これは、大きくなった子宮に膀胱が圧迫されて起こる生理現象で、特別珍しいことではありません。
4割以上の女性が妊娠中に尿もれの症状があった、と回答している調査結果もあります。
実際、多くの人が妊娠中の尿もれを経験したことがあるのではないでしょうか?
【産後の尿もれの原因は?】
産後の尿もれは、ほとんどが「腹圧性尿失禁」に当てはまります。
せきやくしゃみをする、急に立ち上がる、などしてお腹に力が入ったときにちょろっともれてしまうのが特徴です。
下腹部の内臓(子宮・膀胱・尿道など)は、骨盤によって保護されていますが、その内臓を支えている筋肉が骨盤底筋です。
出産時、骨盤底に大きな負担がかかると、もともと出産準備のためにゆるんでいた骨盤底筋はダメージを受けて働きが弱くなってしまいます。
弱まった骨盤底筋では内臓を支えきれないので、内臓が下がってしまいます。
内臓が下に落ちることで膀胱や尿道が圧迫されて、尿もれしやすい状態になります。
【尿もれはいつまで続く?】
一般的に産後の尿もれは数ヶ月で治まる、と言われていますが、個人差が大きく、まったく症状が出ない人もいれば、1ヶ月で治まった、なかには産後3年を過ぎたのにいまだに悩まされている、という人もいます。
尿もれしやすい人の特徴として、次のようなケースが挙げられます。
○妊娠・出産に関連する原因
・妊娠中、尿もれに悩まされていた
・初めての出産時、35歳以上だった
・経膣分娩を2回以上経験している
・子宮口全開大から出産までの時間が5時間以上だった
・大きな赤ちゃん(3500g以上)を出産した
妊娠中以上に骨盤底筋に大きなダメージを受けるのが出産時。
特に注意が必要なのは、帝王切開ではなく経膣分娩で出産して、赤ちゃんが大きく分娩に時間がかかった人と言えます。
他には、どんな要因が考えられるでしょうか?
次に挙げるのは、もともと骨盤底筋に負担をかけやすい体質・体型であったり、日常生活で尿もれにつながりやすい習慣がある、または行動をしている人と言えます。
○体質、体型などに関連する原因
・身長が高い、または体重が重い
・鼻炎やぜんそくがあって、咳やくしゃみをすることが多い
・常に便秘になりやすく、排便時に長くいきむことが多い
・仕事で重いものを持つことがある、または長時間立ちっぱなしである
尿もれをそのままにしておくと、将来、もっと悪化してしまう可能性があるので、いまのうちにしっかりとしたケアを行なうことが重要です。
【尿もれの対策】
それでは、尿もれを改善するためにどんな方法があるのでしょうか?
尿もれは骨盤底筋がゆるんでいることの証拠、と考えると、骨盤底筋を鍛えれば改善できると言えます。
自分でできるケアとしては、次のものがあります。
○トイレに行くのは、尿意を感じてから
尿意を感じる前にトイレに行くと、おしっこをいきんで出すことになります。
尿もれが心配でいつも早めにトイレに行く人は、なるべく尿意を感じてから行く習慣をつけましょう。
○肥満解消
肥満は骨盤底への負担が大きいと言えます。
腰まわりに脂肪が増えると、骨盤底は常に重い荷物を抱えている状態になります。
また、増えすぎた脂肪が臓器に絡みついて、膀胱まで垂れ下がってしまいます。
垂れ下がった膀胱は、常に圧迫されている状態です。
必然的に、尿もれを引き起こしやすくなるので、脂肪を増やしすぎないようにしましょう。
○身体を冷やさないこと
身体が冷えてしまうと汗をかかず、体内の水分を排出するのは尿だけとなります。
また、血行不良になると、膀胱の筋肉への血流も悪くなります。
結果、膀胱の機能低下を招いてしまいます。
このように、身体の冷えは尿もれを悪化させる大きな原因となります。
甘いもの、冷たいものを摂りすぎないよう注意して、きちんと湯船につかる、防寒する、など血行促進や保温を心がけましょう。
○アルコールやカフェインを摂りすぎない
アルコールやカフェインには利尿作用があります。
尿もれの症状があるときは、緑茶や紅茶、ビールなどはいつもより控えめにしましょう。
どの方法も簡単ながら効果が期待できるものなので、尿もれに悩まされている人はぜひ試してみてください。
セルフケア以外の方法としては、骨盤矯正を受けることもおすすめです。