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産後の骨盤輪不安定症とは
投稿日:2017.09.19
【安産、難産とは】
出産=痛い、というのは誰もが最初に思い浮かべることでしょう。
しかし、陣痛の間ずっと痛いのか、というと、そういうわけではありません。
実際は、強い痛みを感じるときと、痛みが治まるときを交互に繰り返しています。
陣痛の波、と表現されますが、出産が近づくにつれて、その波の間隔が徐々に狭まっていきます。
ピーク時には子宮口が全開大(約10cm)に開いて、1~2分おきに痛みの波がやってくるのです。
これまでに経験したことのないすさまじい痛みのなか、記憶があいまいになるほどで、もはや声を発することさえできません。
そんな体験談を聞くと、できれば安産がいい!と願わずにはいられませんよね。
安産は痛みが少ない、と勘違いしている人もいるかもしれませんが、実際は安産でも難産でも痛みの強さは同じです。
陣痛がピークになるまでにかかった時間の違いであり、その時間が短ければ安産、長ければ難産、となります。
安産の人でも数時間、難産の人においては数日間にわたって、シーツを握りしめてただひたすら耐え抜くしかない陣痛との闘いが続くのです。
【産後、身体の状態】
出産は「交通事故に遭うことと同レベル」と表わされることもあるくらい、命がけで行なうことなのです。
壮絶な出産の後、身体が大きなダメージを受けていたとしても不思議はありません。
産後のお母さんが悩まされる症状としては、次のようなものがあります。
・頭痛
・肩こり
・恥骨痛
・腰痛
・抜け毛
・尿もれ
・気分の落ち込み、ゆううつ
産後は、まさに満身創痍という言葉がピッタリ当てはまります。
心身ともにさまざまな不調が現れるのです。
特に、身体の中心にある腰を悪くしてしまうと、日常生活に支障をきたしてしまいます。
産後の腰はどのような状態にあるのでしょうか?
【骨盤輪不安定症とは】
突然ですが、骨盤輪不安定症という病気を知っていますか?
あまり聞き慣れない言葉ですが、産後、長引く腰痛を抱えている人は、知らないうちにこの病気を発症しているかもしれません。
骨盤輪というのは、いわゆる骨盤のことで、内側にある空洞の部分を「輪」と呼んでいます。
骨盤に空洞??とあまり想像がつかないかもしれませんね。
まずは、骨盤の構造について詳しく説明します。
骨盤は複数の骨から形成される骨の集合体です。
背中側に仙骨、尾骨があり、その左右に寛骨が1つずつあります。
寛骨は、腸骨、坐骨、恥骨の3つに分かれており、恥骨が身体の前側で左右の腸骨をつないでいます。
このように、骨盤は内臓の周りを取り囲む「輪」のような形になっているのです。
これは、外側の衝撃から重要な臓器を守るためで、通常はしっかりと締まっていますが、そのままでは赤ちゃんの頭が通れないので、出産時には骨盤を大きく開く必要があります。
そのため、女性ホルモンの1つである「リラキシン」が分泌されて、骨盤やじん帯をゆるませるように作用します。
「リラキシン」の働きによってゆるんだ骨盤は、とても繊細で傷つきやすい状態にあるうえ、出産時にかかる負担は相当なものです。
本来であれば、ゆっくり時間をかけて骨盤がきちんと締まり、もとの位置に戻っていくはずです。
しかし、便利な現代に育った女性たちは、昔の人と比べて幼少期からの運動量が絶対的に足りていません。
筋力が少なく、また、じん帯も弱いので骨盤がうまく戻らず、ゆるんだままだったり、変形した状態で固まってしまうのです。
骨盤輪不安定症は、整形外科でレントゲン撮影をしてもらうと診断がつきますが、どのような症状があるのでしょうか?
代表的な例をあげます。
・腰が痛い
・恥骨が痛い
・尾骨が痛い
・下半身がだるい
・足のつけ根が痛い
・尿もれがある
下半身を中心にさまざまな症状が出ますが、これは、仙骨、腸骨の関節障害と恥骨結合部の解離が同時に起こっているため、と考えられています。
その名前の通り、骨盤が安定していない状態です。
身体の要である骨盤は重要な役割を担っています。
骨盤が不安定でグラグラしていては、その悪影響は身体全体に及んでしまいます。
【骨盤輪不安定症を治す方法】
それでは、骨盤不安定症の治療はどのように行なわれるのでしょうか?
一般的には、骨盤にコルセットをまいて保護する、患部に湿布して炎症をおさえる、など外的処置がなされます。
しかし、根本的な原因はゆがんでしまった骨盤にあるので、骨盤矯正を行なって正しい位置に戻すことが有効的な方法と言えます。
それでも、痛みを感じている場所を動かすことには抵抗を感じますよね?
自己流ではかえって悪化させてしまうのではないか?という不安も残ります。
その点、産後の骨盤矯正を専門的に行なっている治療院であれば、正しい知識を持って施術してもらえるので安心です。
お母さんが健康でいないと、24時間営業の育児はこなせません。
二の次になってしまいがちな自分自身のケアこそが、何よりも大事なのです。
痛みは我慢していて治るものではありません。
何かお困りのことがあれば、ちょっと相談してみようかな?という感じでお気軽にお問い合わせください。