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産後で悩む尿もれの改善方法
投稿日:2017.04.17
【産後に尿もれになるのはなぜ?】
一般的な尿もれは、咳やくしゃみなどで、腹圧がかかった時に膀胱が圧迫されて尿がもれてしまう現象です。
出産した女性でなくても、普段から鼻炎や喘息で咳やくしゃみをよくする人は尿もれの経験があるといいます。
また、便秘をすると同様に膀胱を圧迫するため、尿もれを起こすことがあります。
そして、実は多くの出産した女性が、出産後に尿もれを経験しています。
よく聞く症状なので、あまり深刻に捉えることもなさそうだと思う人もいるでしょう。
放っておいても自然に治るものだとあまり深く考えずに日常生活を送っていたりします。
しかし、こと出産後の女性の尿もれに限って言えば、なんらかのケアが必要な場合があります。
出産で、女性の体にはさまざまな負荷がかかり、大きなストレスやダメージを受けています。
出産で大きくなった子宮が膀胱を圧迫していたり、出産前にかなり太ってしまい肥満の状態になると、内臓や骨盤底筋に負担をかけてしまうので尿もれしやすくなります。
つまり、尿もれは、子宮や膀胱、直腸などの臓器を支えている骨盤底筋の筋肉疲労による緩みが関係しているのです。
【産後の尿もれを予防するには】
産後の尿もれを予防するには、まず尿もれになりにくい体を作ることです。
- 産後太らないように気をつける
出産で、大きかったお腹も通常に戻り、次第に以前の体型に戻っていくのですが、産後太りでお腹に脂肪がつくと、内臓の位置が重くて下にさがり、骨盤底筋や膀胱を圧迫してしまいます。
産後太りしないように気をつけましょう。
- 便秘をしないようにする
便秘をすると、大腸が膀胱を圧迫してしまうので、なるべく便秘にならないようにします。
- 骨盤底筋を鍛える
出産時にいきむことで負荷がかかり、骨盤底筋が筋肉疲労を起こして緩んでしまっているので、
尿道の開閉をする括約筋がうまく働かず、尿もれを起こしてしまっています。
ですから、この括約筋がうまく開閉できるように、骨盤底筋を鍛えることが有効です。
【尿もれに関係する骨盤底筋の緩みを確かめる方法】
骨盤底筋が、尿もれに関係していることはわかりました。では、その骨盤底筋が緩んでいるかどうかはどうやって調べればよいのでしょうか。
その方法は、意外と簡単です。
おしっこをする時に、自分の意思で尿を止めてみて下さい。止まるか、尿の出方が遅くなるようであれば骨盤底筋は正常です。
もし、尿が止めようとしても関係なく全部できってしまうようなら骨盤底筋が緩んでいるかもしれません。
【尿もれの改善に役立つ骨盤底筋体操】
妊娠することによって「リラキシン」という女性ホルモンが分泌され、女性の体は赤ちゃんを産みやすい体になるために少しずつ靭帯を緩めていきます。
骨盤底筋もそのひとつです。
大きくなった子宮を支えることになった骨盤底筋は、出産時にも大きくいきむことで、負荷がかかり緩んでしまいます。
出産後1カ月は子宮の収縮とともに負担が減り、筋肉の疲労も次第に回復していくでしょう。
でも、出産後も骨盤底筋が緩んだままになっていると、尿もれなどを起こしてしまいます。
先ほど紹介した「おしっこを自分の意思で止めてみる方法」を試してみて、骨盤底筋が緩んでいるらしいとわかったら骨盤底筋体操を始めましょう。
【骨盤底筋体操】
骨盤底筋体操の1回の所要時間は、10分です。
これを、1日朝晩2回行います。
1回の体操のうち、次のような引き締めとリラックスを1分で行いそれを10回やって10分になります。
1分間のうちの最初の10秒は、骨盤底筋を締めるために、肛門・膣・尿道口に力をいれます。
この時、お腹に力が入るといきんだ状態になってしまうので、お腹に軽く手をあて、力が入らないように注意して行います。
次に、残りの50秒間は、力を抜いてリラックスします。
この10秒の引き締めと50秒のリラックスで1回です。
これを、10回繰り返して10分になります。
これを朝晩1回ずつ行うと骨盤底筋が鍛えられるのです。
この骨盤底筋体操を行う姿勢は、次の3種類ありますので、その日の体調によってやりやすい姿勢のものを選んですると良いでしょう。
初めての場合は、無理のないあおむけに寝て行う体操から始めることをお勧めします。
◆あおむけに寝て行う骨盤底筋体操
あおむけに寝て、足を肩幅に開き、ひざを曲げて立て、さきほど紹介した10秒間肛門・膣・尿道口の引き締めを行い、50秒間力を抜いてリラックスします。
◆椅子に腰かけて行う骨盤底筋体操
背もたれのある椅子に腰をかけて、背もたれに軽くよりかかって肩の力を抜いて、さきほど紹介した10秒間の肛門・膣・尿道口の引き締めと50秒間のリラックスを行います。
これを10回で10分です。
◆机に手をついて行う骨盤底筋体操
机のそばに足を肩幅に開いて立ち、手も肩幅に開いて机につき、上体の重みを腕にかけて、10秒の肛門・膣・尿道口の引き締めを行い、50秒間は力を抜いてリラックスするのを10回行います。
わかば接骨院でも産後の女性のための尿もれに関する相談・施術に対応しております。